アドバイスなんかいらない

聴くことの大切さは、コーチングでは、基本中の基本です。

でも、聴くという事は、簡単なようでいて、決してそうでもないのが現実です。

私達は、聴いてあげて、アドバイスをして、と簡単に言いますが、

本当にその人のために、その人の身になって聞くことができているんでしょうか。

 

あるアメリカのティーンエイジャーがこんなことを書いています。

問題があった彼がある日、父親に話をした時の事です。

 

「話を聞いてくれって頼んだのに、お父さんはアドバイスをし始めた。

アドバイスをしてくれって頼んだんじゃないんだ。

ただ聞いてって言ったのに。

『そんな風に感じる必要はない』って、お父さんはアドバイスをしてくれたよね。

それは、僕の気持ちを無視したって事なんだ。

 

話を聴いて欲しいと言ったのに、お父さんが僕の問題を解決し始めた。

お父さんは、僕の事を過小評価して、僕から僕の自信を奪う事なんだってわかってないんだ。

聞いてって頼んでいる時に、

お父さんは、こうしたらどうかって話し始めたから。

僕はね、コントロールされているっても、感じたんだ。

失望して、不愉快にもなった。

話を聞いてくれって僕がいったからって、

僕に解決方法が全くなかったわけじゃないんだ。

話を聞く代わりに、お父さんは、アドバイスした。

僕が自分で解決策を見つける事ができるようなことだったのに。僕だって自分で考えていたんだよ。

僕は自分の価値が下がったように感じた。

 

でもね、お父さん、

僕の話をきいて、僕の気持ちを受け入れてくれるとね、

エネルギーを使って、お父さんに自分を分かってもらおうとすることもしなくていいし、

自己弁護なんかもしなくていい。

その代わり、僕はどうしてこういう風に感じてるのかなあとか、

どうやったらこの問題を自分で解決できるのかなあという事にね、

エネルギーを使う事ができるんだよ。

でね、そういう時は、お父さん、アドバイスはいらないんだ。

アドバイスの代わりにね、僕を信じて、励まして、サポートしてくれるだけでいいんだよ。

お父さんから見たら、僕が持っている感情は、理屈に通らない感情かもしれない、

でもね、時間をかけて、聴いて欲しんだ。そうしたら、きっと僕の気持ちが、わかってもらえるから、お父さんにも。」

source: A little Book of Listening Skills by Mark Brady,Ph.D. and Jennifer Austin Leigh

 

ついつい、アドバイスをしてしまう私達。

この少年のお父さんのように、良かれと思ってアドバイスをしてしまいます。

子供たちにだったり、友人にだったり、同僚や部下にだったり。

自分の体験や社会経験から、他の人を観察して、アドバイスをする人はたくさんいます。

でもそれが本当に相手のためになっているかどうかは、この少年の必死の声に現れているように、

必ずしもそうでないかもしれないのです。

 

ここが、コーチングとアドバイジングの大きな違いの一つです。

コーチングでは、アナタが自分で解決する事が基本です。

もちろん、アドバスをしてくれるコーチもいます。

それはアナタが頼んだ時です。

たぶんそのコーチは、

「私だったら、こうするかもしれないけど、

今のアナタだったらどうするのが一番だと思っているのかな」

と聞き返してくれる事でしょう。

 

コーチはこの少年が言っているように、もうアナタの中に解決策がある事を知っています。

じっくり、自分の意見は控えて、聴く、と言う事で、

その解決策は、春の日の新しい芽のように、土の中からむくむくと出てくるんですから。

 

ご意見や体験などがありましたら、是非コメント欄にお寄せ下さい。

 

 

 

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