#16 ツキを呼ぶ魔法の言葉
五日市剛さんは、若い頃イスラエルに無銭旅行をした際、ヨーロッパのナチスの時代を生きて、生き残ったというおばあさんに会いました。
このおばあさんは、五日市さんに一夜の宿を与え、ツキを呼ぶ、つまり幸福をもたらすには、二つの魔法の言葉だけを言えばよろしいと伝授します。
それまで人間関係などで行き詰っていた五日市青年は、半信半疑ではありましたが、魔法の言葉というのに興味を覚え、是非教えてもらいたいと頼みます。
それは、難しい言葉でもなんでもなく、良い事、悪い事、何が起こっても「ありがとう」と「感謝します」という二つの言葉を言うだけでよいというのです。
何か欲しいもの、達成したいもの、それがもう達成された、手に入ったと想像をして、そして感謝の言葉を言えばいい。
それ以後、日本に戻って五日市青年は、だまされたかのように、この「ありがとう修行」に乗り出します。
はじめは手にフェルトペンで忘れないように書いては、ありがとう、感謝しますと唱えました。
しかし、手を洗うと消えてしまうので、忘れないようにワイシャツの袖口に書き、最後はワイシャツの袖口が真っ黒になるまでこの修行を続けました。
そうした所、それまで行き詰まっていた学業も順調になって、博士号まで無事取得し、良い会社に就職できました。
さらに、人間関係がどんどん改善され、もっと給料の高い会社にヘッドハントされます。そして、自分のやりたい研究開発の開発費までもらって、次々と人生が好転したんだそうです。
この話は、同名の本「ツキを呼ぶ魔法の言葉」五日市剛著、になって出回っているので、お読みになった方もあるかと思います。五日市さんは工学博士になられた方です。
私はこの話をある友人から、オーディオのCDでいただいて聞いたのですが、これを聴いて、インディアンの部族のある雨ごいの話を思い出しました。
雨が少なく、飲み水にも困るような地域に暮らすあるアメリカインディアンの雨ごいは、「大地と天の神よ、雨を降らしてください」「雨よ、降ってくれ」とは祈らないのだそうです。
そうではなく、心を清らかにして、すでに雨が降り注ぐ状態、恵の雨に濡れて、髪の毛も、衣服もぐっしょりとなり、村の中が雨で潤っている様子を、強くイメージをします。その状態に浸り、その状態が実際に起こっていると想像し、ひたすら感謝の念をつぶやく、それが雨ごいの祈りなんだそうです。
感謝する、その言葉を発する、そしてもうそれが起こった事、今ある事という事で、おそらく自分の潜在意識に組み込んでしまうのでしょうか。そして感謝をわすれない。
イスラエルのおばあさんの「ツキを呼ぶ魔法の言葉」と、とっても似ていると思われませんか?