#94 最高のギフト

1人の男が橋の上から真っ暗な水面を見ていました。「あそこに飛び込んだら、どの位持つかなあ」「僕はいなくなった方がましな人間なんだ。最初から生まれてこなければ良かったんだ」うつろな心を抱えた男はそうつぶやきます。「そうか、それなら話は簡単だ。その願いを叶えてやろう」不思議な老人はそう言うと「さあ」と、一言つぶやきました。生まれてこなかった事になった男は、自分探しのクリスマスイブの夜を過ごします。


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