二人の旅人

ある男が、谷の村から、山の上の村に向かって、

旅をしておりました。

 

途中で畑仕事をしている山の僧がおりましたので、

旅人は声をかけました。

「やああ、お坊様、精がでますなあ。

昨日は谷の村に泊まったが、

今晩はあの山の向こうの、あっちの村まで行こうと思っています。

あっちの村はどんな村ですかね?」

「昨日泊まった谷の村は、どんな村だったかね?」

汗をふきながら、お坊様は畑仕事から手を休めて男に聞きました。

 

「いやあ、ひどい場所でしたよ。

人は不親切で、食べ物もほとんどまともなものを分けてくれない。

貸してくれた寝場所も、犬や馬と一緒の土間。

言葉もほとんど何を言っているのかわからなかった」

すると、お坊様はこう答えました。

「山の向こうのあの村も、たぶん同じような村だなあ」

 

数日たって、また別の男が山の峠を通りかかりました。

最初の旅人と同じように、野良仕事をしている山の僧に気がついて

同じように声をかけました。

「やああ、お坊様、ちょっとおききしますがね、

昨日は谷の村に泊まったが、今晩はあの山の向こうの村まで行こうと思っています。

あっちの村はどんな村ですかね?」

「谷の村はどうだったかね?」

汗をふきながら、お坊様は手を休めて、

二人目の旅人にも同じように聞きました。

 

「いやあ、言葉があまりよく通じなかったのですがね、

暖かい汁物をこさえてくれて、外でもどこでも構わないからという私に

馬牛のいる土間でよければと、家の中に招待してくれましたよ。

貧しい村に見えましたが、

心の優しい人が暮らしている村に思えましたね。」

お坊様は、ちょっと微笑んでこう答えました。

「山の向こうのあっちの村も、たぶん同じような村だなあ」

 

人生における体験は、実は10%が「事実」で、

後の90%は「解釈」なのだそうです。

 

同じ事が起こっても

「大変だ、嫌だ、思った通りに行かない」と

解釈もできますし、

「ありがたいことだ、何かこれで学べる事があるかな」と

解釈する事も出来ます。

 

二人の旅人のお話は、

この90%の部分が私達がコントロールできる部分だ、

と教えてくれているように思います。

 

コーチングでも、この90%に集中します。

回りの人も、出来事も、

私達が「こうだ」と思う事で、

ずいぶん違ってくるからなんです。

旅人たちが教えてくれるように、

アナタがどこに行っても、

アナタの解釈が

アナタの人生を

アナタの世界を

作ります。

 

どうせなら、周りに「心優しい人がいる素敵な村」を作ってしまいましょう。

 

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