#115 不安の心と向き合う
皆さん、
毎日いかがお過ごしでしょうか。
2020年3月下旬の今日、
新型コロナ菌は、
次々に世界中各地方に蔓延し、
国や都市が音頭をとり
自宅待機を
義務付けるという事態にまで
なっています。
日本では先週、
東京オリンピックの
延期が決まりました。
私の住むハワイでも、
レストランやホテルの閉鎖、
航空便の大幅減便、
訪問客、観光客は
たとえ、
ハワイに来ることができても
ホテルに缶詰めという状態です。
観光業界で
成り立っているハワイ、
旅行のキャンセルが相次いで
他の地方と同様、
経済的にも
深刻な事態を招いています。
私も、普段出かけていく
予定は全てキャンセルし、
全面、
在宅勤務に切り替えました。
運動オタクの私は
地元の皆さんとヨガをしたり、
仲間とテニスや
ビーチウォーキングが
出来なくなってしまったのが
とても悲しいですが、
こんな状況でも、
私にできる事をしたいと
メールや電話、
ライン、Zoom、フェースタイム等
の媒体を使って
出来る限り、多くの人と
コンタクトをとり、
少しでも助けになる事を
探しています。
こんな中、心に不安を
強く感じていらっしゃる方が
多いのではないかと思います。
そこで今日の話題は
前回の話題に続き、
「不安の心と向き合う」
と題します。
今日のお話は、
心理と催眠療法師の
立場から、
不安とどんなふうに
付き合ったらよいか、
ライフコーチの立場から、
また自粛、在宅の日々を
どう過ごしたらよいかを
具体的方法をご紹介しながら
お話ししたいと思います。
前回のメルマガでは
ホノルル妙法寺の
山村住職が
仏教の考え方の
「心とは形の無いもの」と
お話しくださいました。
心や心の動きが
刻一刻と変化する、
形が無いもの
という事は私達も
体験で知っています。
おもちゃを取られ
大泣きをしていた子供が
チョコレートをもらうと
一瞬で
にっこりしたりする
あの変化ですね。
好きな人ができた青春の頃、
相手が冷たいと
ひどく落ち込んでいたのに、
にっこりしてくれると
すぐさま、
天にも昇る気持ちになった
事などないでしょうか。
心とはうつろいやすいもの。
それなのに、
心に引っ張り回されている
私達。
心理療法の一つに
フォーカシングという
方法があります。
前回もお話ししましたが、
心の動きの中の厄介者の一つ、
不安感というのは
恐怖感と似て非なるもので、
実際の脅威に対するものでは
ないと、
心理分野では考えています。
厄介者ではあっても、
何かの危険を知らせるという
役割を持っているのが、
こうした感情です。
不安感の場合、
実体があるものではなく、
過去の経験や
未来への心配などで、
言葉にならないモヤモヤ感で
感じる事が多いわけです。
ニュースを見て
どこどこでは
コロナ菌による死亡者数が
何人になったと聞くと、
私や家族も危険に
さらされるのではないかと
心に不安感を感じます。
ひどくなると
心配で眠れなくなる、
食欲がなくなる、
イライラする
などから、
理由もないのに
呼吸困難や心臓がパクパクなど
身体的な症状も出てきます。
勿論、ここでは、
頻繁に手を洗う、
不必要に人込みに出ないなど、
するべき事をした後にも
こうした不安を感じている
場合について
お話ししています。
形の無いものを感じるというのは
意識の世界だけでなく
無意識(潜在意識)の
領域で感じている事が
多いのです。
それがモヤモヤとした
感じとしてとらえられます。
そのもやもやを
意識上に持って来てやる
という事が
根拠の薄い不安感の
防止につながります。
暗闇で見た蛇が
明るい所で見ると
なーんだ、
ただの紐だったのか、
というあれです。
明るい所に持ってくる方法を
教えてくれる
フォーカシング療法
の方法を二つご紹介します。
一つは、
そのもやもや感を
「言葉にする」「名前を付ける」
という作業です。
蛇かな、いや、ロープかもしれないな
と表現し、
怖く感じているな、
この感情はどこから来るのかなと、
無意識から意識の明るみに
出してやるわけです。
蛇は危険でも、
ロープは怖くないと
自分にはっきり
意識をさせるわけですね。
難しければ、
その不安感を
形で、
サイズで
色で表してみるという
やり方もあります。
例えば、
「フムフム、
私の不安感とは
灰色がかった黒、
5センチくらいの
重い塊だ、
なんて、イメージで
描くという方法です。
心理療法の中には
このイメージを
動物にたとえて見る、
別の人格を作って
名前を付ける、
映画のようにスクリーンに
映してみるなどの方法を
取る事もあります。
塊、動物、別の人格と
対話をするセラピーまであります。
トレーニング中
このセラピーを受けた時、
私の心の中の不安感は、
ちょうど
猫の吐き出す
毛玉のように感じました。
胃のあたりに溜まって、
何かがつかえているように
私を重苦しい感情に
していました。
そこで、
心の中の毛玉と対話するという
ちょっと変わった体験をしました。
英語のセラピーだったので、
セラピストに誘導されて
毛玉ならぬ、
ヘヤ―ボールとの
対話でした。
「もしもし、ヘヤ―ボールさん、
どうしてあなたは
私の中にいるんでしょう?」
と、こんな具合です。
セラピストに聞かれて
返ってきた返事は、
「私はあなたを助けるために
いるんですよ」でした。
勿論、私が一人芝居を
しているわけですが、
この返事には
自分でびっくりしました。
何故、嫌なものがあって、
それが、私を助けるために存在
しているのだろうと
首を傾げたものです。
(このプロセスで、
私にとっては面白い気づきが
あったので、今でも大変
有効な方法だと思っています)
潜在意識にある
不安感を、
表面にもってくる
もう一つの方法は、
身体的体験、体の感覚に
意識を向ける事です。
緊張すると
歯ぐきがキリキリしたり、
怖くなると
首がすくんだようになる
なんていう事がありますよね。
貴方の不安の心は、
体では
どこに存在する感じがしますか。
肩ですか。
みぞおちのあたりですか。
心臓ですか、こめかみ?
心は実体がないとしても、
体は実体を感じます。
不安感は、
体のどの部分が引き取って
感じてくれているのでしょうか。
それは、どんな感じでしょう?
フォーカシングでは
この感覚をフェルトセンス
と呼んでいます。
セラピストが質問をして、
言葉にならない感覚、
体感を
少しずつ言葉というシンボルで
表すプロセスを踏みます。
言葉で表現できない場合、
絵や映像、箱庭、
体の動き、ダンス、
などを使う場合もあります。
こうしたやり方は、
自分の心の動き、
体の感覚に
アウエアネスを持つ
という意味で、
心と向き合うとても
有効な方法です。
私がヨガを教えている
理由の一つに、
心や頭より、
体はとても正直に
潜在意識を表してくれると
感じる点があるからです。
体が解放され、
血液の循環がよくなり、
呼吸が安定してくると、
気分が何となくよくなる
というのは、
皆さんもよく体験されることだと
思います。
不安も心配も
貴方の存在を守ろうという
潜在意識の大切なお仕事です。
不安を感じる事を
罪悪視するのではなく、
「赤信号よ、ありがとう!」
というような気持ちを持って見る事も
いいかもしれません。
さて次には
自宅で閉じ込められた生活を
送っている多くの方に、
不安感をあまり感じる事なく
時間を有効に使う
アイデアをご紹介したいと
思います。
私も在宅勤務が多いので、
自分なりに考えて
今まで実行してきたこと、
また、在宅で長年活動し
生活のリズムを
作っている方からの
アイデアも含めて
ご紹介します。
まず、
自分のスペース作りと
ルーティーン作り。
家が片付いていないと
何も手につかない方が多いと
思います。
まず自分のスペースを確保。
自分のお部屋がある方は
素敵ですが、
ない方でも、
部屋の隅のテーブルの一角でも
大丈夫。
ここは私の場所という空間を
作ってください。
次は毎日のルーティンを
考える事。
キチキチする必要はなくても、
朝はだいたい同じ時間に起きて、
服を着替え、
ひげをそったりお化粧をしたり、
外出する感覚で
しゃっきとさせる。
時間割を作れる人は
子どもやご家族の方と
協力して
スケジュールを作ってみる。
朝ごはんは大体何時。
午前中はこれ、
お昼もきちんと食べて、
午後は、できればこれ。
運動はこれくらいの時間、
夜はこんなことと
自分なりの
スケジュールを組むわけです。
休校になってしまっている
お子さんたちと一緒に
時間割作りも
楽しいですね。
在宅だと曜日も定かで
なくなります。
月曜日はこれ、
水曜日はこれ、
週末はこんな事と、
ざっくり決めておくと
安定感が得られます。
ウィルスにコントロールされた
不自由な生活、ではなく
自分が積極的に
やる事を選んでいる生活という
見方ができるのです。
勿論、だらだらデイを
作っておくことも大切です。
何もしない日、
ぼーっとする時間、
決めないで過ごす一時。
また、体を動かさないと
ストレスは溜まりやすい
という傾向があるので、
歩く、
ストレッチ、
ダンス、
なんらかの運動をする、
Videoでエクササイズするなど、
自分にやりやすい方法を
工夫します。
出来る人は
週4日間は30分以上の
心拍数を上げる体の動きをする事。
それがきつい人は
週3日10分から20分の
ストレッチから初めてください。
座ってできる椅子ヨガの
無料videoのリンクはこちらです。
↓
英語版
Upper Body: https://youtu.be/UiMa6ojMtto
Lower Body: https://youtu.be/sud0XxwbmWc
Whole Body: https://youtu.be/XFsDm3aWZKY
ChairYoga Website:chairyogawithyukari.com
不安感を
コントロールする方法として、
ミニプロジェクトを組むという
方法があります。
料理好きな方は
今まで作った事のない
手の込んだものを
仕込んでみるとか、
クラフトやアートが好きな方は
時間をかけたものに
挑戦するとか。
家の直し、修理、
音楽や楽器も
とてもよい心配感解消の方法です。
読書、映画、ビデオは、
自分一人の鑑賞でも
勿論いいと思いますが、
友人と連絡し合って、
同じものを見てみる、
読んでみると、
バーチュアルなブッククラブ、
映画クラブができます。
古い写真、手紙、
コンピューターのファイルの整理など
今のこの時期
とても良いprojectでは
ないでしょうか。
私の日本にいる友人は、
何十年も前に勉強した
スペイン語の復習をしているそうです。
ちゃんと辞書を引いて、
新しい言葉を
一日2-3語は覚える決心をしたそうです。
在宅勤務で大切な2点は、
定期的水分の補給と、
炭水化物を含む
糖分を減らすことです。
手持無沙汰だったり、
暇を持て余すと
甘いものに手を伸ばす人が
多いようです。
甘いものだけでなく、
白米、パン、パスタ等の
炭水化物に含まれる糖分は、
満腹感をもたらしますが、
気分を高揚させた後、
どっと気分を落とす作用が
あるので、要注意です。
家にいると、
テレビだけでなく、
どうしても
FaceBook、Instagram、Twitter等
ソーシャルメディアに頼りがち。
実際に会えない友人や家族と
繋がるという意味では
素晴らしい方法ですが、
あくまで、
時間の制限をする事も必要です。
ソーシャルメディアは
センセーショナルな
話題や写真、動画等が
多いので、
中毒症状になる
可能性を持っています。
十分にご注意。
最後に忘れてならないのは、
ユーモア。
笑いは人間の心の中の
高いレベルのバイブレーションを
持つと言われています。
私も含めて
日本人は真面目で
ちょっと笑いを蔑ろにする所も
ないではありません。
ユーモアを生活に取り入れる事、
「はっはっはっ」と大声で笑う事、
笑いをシェアする事、
是非やってみてください。
ネットでジョークサイトなどを見るのも
いいですね。
コロナ菌蔓延の今の状態を
「不必要に大騒ぎをしている」と見るか、
「注意しすぎに越したことはない」と見るか、
夫々、皆さんご自分の判断です。
しかし、世界中で
多くの病院や
医療関係者が、
とっくに人口過密地域で、
時間も機器も薬品も不足して
対応できない状態になりつつある
というのが現実です。
今ご自分もご家族も
暮らしている所も
物資の供給も足りている
問題ない
というのであれば、
素晴らしい事です。
その分、不足している地域に
シェアする事が出来ます。
貴方や貴方が健康なら、
それが
他の人の健康にもつながるのです。
貴方の心も、健康なら、
その心の健康を他の人に
シェアする事が出来ます。
私は、
ライフコーチや催眠療法の
合間に、
電話による医療通訳も
する事があるので、
最近は、
コロナ菌関連で日英の翻訳を
必要とする方がたが
大変増えました。
ハワイやアメリカだけでなく、
イギリス、香港、カナダなどからも
電話通訳の依頼を受けます。
クルーズ客や乗り組み乗員からの
翻訳依頼も増加しました。
新型コロナウィルスの蔓延する今、
心の不安は、多かれ少なかれ、
貴方も私も、
皆が感じている事です。
私達が、それぞれ少しでも
健やかな心の状態が保てれば、
地域やコミュニティの
サポートができます。
近所の人の買い物を
してあげる事も出来ます。
キャンセルになったクラスや
お稽古事の先生に
前払いのお月謝を
払う事も出来ます。
お気に入りのレストランの
ギフトカードを買って、
将来使うように
協力する事も出来ます。
本当に困っている人達へ
自分にできる事を
してあげませんか。
私にできる事も限られているので
あれもこれもはできませんが、
自分と家族の健康管理、
心の健康管理は
最低限したいと思います。
そして、
自分の頭のハエが追えたら、
大切な友人たち、
地域の人達、
ポッドキャストやメルマガを
読んで聞いてくださっている
クライアントや視聴者の方がたに
少しでも
自分の知識や学んだことを
シェアしたいと思っています。
皆さんも、
もし、こんなアイデアがあるとか
こんなところで困っている人がいるとか
何でもシェアできる事があれば、
是非、お寄せください。
お待ちしてます。
この状態が世界中で
速やかに改善され、
あの時は大変だったけれど、
皆で協力し合えて
乗り切れたなあと言える日が
近々来ること心から祈っています。
手をよく洗って、
心も体も健康に暮らしましょう